775 / 1053
第15章の5
周りにいたみんなも驚いていたようだったが、
麻也はとっさに動揺を隠すことができなかった…
が、須藤がどうにか、
「そうですね。じゃあこの次のインタビューの後にでもいったん事務所に…社長の都合も聞いてみます。」
真樹も言葉が出ないのを引き取るように直人が、
「諒、どうしたの? 俺個人としてはすごく心配なんだけど。」
すると諒は、すごい大物歌手の名前をあげ、
「…その人に、ライターの柴田さんつながりで、
スタッフさんとの飲み会に誘われたの。昨日。」
その人は、諒が素晴らしいソロをテレビで収録した、その元の曲の歌手だった。
みんながびっくりしていると、
「…で、俺、一人で参加したんだけど、いろいろ言われて…」
と、表情が暗くなる。
「…ダメ出し、とかってこと? 」
また直人が代表して尋ねると、
「いや、そうではないんだけど…でも、これだけは言っとく。
俺はディスグラを脱退もしません。引退もしません…」
みんな真っ青になったのを、須藤があわてて引き取った。
「諒さん、あとは社長と…早く衣装合わせ始めましょう。」
ともだちにシェアしよう!