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第15章の8
麻也の、この仕事に関しての報酬や見返りが減ることはなかったが…
いや、むしろ冬弥との対談で露出が増えた分得をしたと言ってもいいかもしれない…
が、最初に諒に心配された通り熱心なファンが少しでもたどれば、
この仕事が結局不毛でトンデモなキャリアだとわかってしまうだろう。
(そう思われたくなかったら、もっときちんとしたアーティストを手掛けて、
今回のは初めてで仕方がなかったと思ってもらうしかないんだろうけど…)
しかし、そんなエネルギーがあったら、ディスグラにかけるべきだとはすぐわかる。
たまたま売れている、キャリアの浅い、迷いも多い自分たちは、
バンドに全力を注ぐべきなのだと…
会議が終われば、麻也たち3人とマネージャーたちはスタジオに向かい、
冬弥以外の3人のメンバーにこの決定事項を伝えた。
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