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第15章の9
3人とも色々ウワサも聞いていたりもしたと久保田が言っていた通り、
さほど驚きはなく、冷静に受け止めてくれた。
「…CD一枚の契約って、本当に一枚なんすね…」
などとは言っていたけれど…
例のパーティー帰り、久保田にこのことを相談されて飲んだ時、
「麻也さんが最初のバンドで苦労して、でも今はこんなにすごくなってるっていうのが、
俺たちには救いみたいな感じで…」
と言っていたのを、麻也は思い出した。
(でも、先はどうかわかんないけど、ここのみんなには厳しいんじゃないかな…)
ディスグラの他の3人には、出会った時はすでに客を引き付けるものがあった。
だから自分は組む気になったわけで…
このスナイカーズと組む気には、一回限りのセッションでも、麻也にはなれない。
…それにしても、麻也は諒のことが気になって仕方がない。
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