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第10話
待ち合わせの隣駅に行くと仲良く話親子ずれを見かけた。
俺に気づくと軽く、会釈をされた。それも同じに。
「こんばんは。お忙しいのにわざわざありがとうございます。」と母親に挨拶された。
元ヤンだかろうか?体育系なのかな。とても礼儀正しい。このあたりは昔のなんかだろ。
「いえ。こちらこそ。無理を言ってしまって。。。」最後のほうは、ゴニョゴニョと、尻窄みになってしまう。
「ぷっぷっ。。」
「なんだよ。」隣の息子に笑われた。なんだよ。お前のせいなんだぞ!と視線を送ると
「木村さん。。母ちゃんの前だと緊張してる。」 ……チェ……可愛いじゃねーかよ。自分こそ。
「寒いし、行こうか。美味しいご飯屋さんがあるんですよ。木村さんの奢りだしね。」
「あーはい、はい。行きましょうかね。」
連れだって歩き出した。
駅から10分も歩いただろうか、飲み屋街にある料理屋に連れてこられた。
佇まいは小料理屋な感じだ。
「ここよく来るんですよ。」息子が言った。でも喋ると口の中が痛いのか、頬が痛いのか、少し顔をしかめた。
「キズ。……痛いの?」 周りに聞こえないように聞てみた。
「……ううん……」と首を降った。そのしぐさは小さな子どものようで幼く見えた。
暖簾をくぐり、席に通され、メニューを見ながら、オススメ料理を教えられた。
中から何個かを頼み、「お酒は?」と聞かれたので「いや。真面目な話だから止めときます。」そんな事をいうと
「飲まなかったら聞けない話しかもよ?」
揶揄を言われた。
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