5 / 10

冬の始め

それから千夏と色んな話をした。 主に彼の身の上話や、興味があること、今年卒業生で忙しいこと そうやって数ヶ月間ほぼ毎日会っている間に千夏と過ごす時間は俺にとっても楽しいものになっていた。 その期間で生まれた感情に見て見ぬふりをして、楽しいことだけに目を向けてソレが二人に取って悪いコトだと気が付いていたのに… 蝉の声も色鮮やかな紅葉に埋もれ、冬の始まりが見えた日 いつも通りの放課後、千夏が肩に頭を乗せて受験勉強の休息をとっていた時だった 「僕ね、ハルが好き」 ぽつりと聞えた告白 たまたま目を瞑っていた俺は、目を開けることができずじっと寝たフリを続けた 再び走り出したペンの音を聞いた後も暫くはそのままの状態だった 心臓の音がうるさい 泣きそうなのを必死でこらえた それに、俺はなんて答えれば良かったんだろう

ともだちにシェアしよう!