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第二章 † ③持ち前の運動神経が試されるとき。

 この樹海を歩くにはあまりにも不似合いな格好をした男に、カルヴィンは声を荒げた。けれども男は顔色ひとつ変えず、それどころか背を向けて去って行く始末だ。 「止まれ! 撃つぞ!」  カルヴィンは逃すまいと警察官の試験でしか撃ったことのないピストルを掲げ、二の足を踏みながら大きく構える。  両手は小刻みに震え、焦点は定まっていない。  それを知っているのか、男は突き出されたピストルに動じる様子もなく、闇の中へと静かに姿を消した。

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