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第9話
そして居酒屋では
「いらっしゃいませーいっ!」
と、声を張って元気に忙しく働いた。俺のあがりの時間が近付くと、平日ということもあり店内はガラッと空く。お客さんも少なくなる。
「あきくん!今日も元気いいね〜!けどいつもより元気がいいみたいだね?何かいいことでもあったんかー?」
声を掛けてきたのは常連の野中さん。1人で食べに来たり、友人や会社の人を連れてきた!と言っていつも笑顔の人。すごく優しいおじさん。そう言えば何となく鈴木に雰囲気似てるな!ふふっ
「あーっ!そう言えば野中さん!僕この前交差点で貧血でぶっ倒れまして、助けてくれた人が同じ大学の同じ学年でしてぇ!!それで明日その人の家に遊びに行くんすよっ!ちょー緊張だけど」
「えぇー!そうだったのかー?だからここ2〜3日見かけなかったんだね!働きすぎって事じゃないのか〜?それにしても近くに人が居て良かったよね。」
常連さんとの話はとても楽しい。俺は別に誰とでも普通に喋れるのに、何で鈴木とはちょっと緊張するんだ?
俺は疑問に思い考えたが、それくらいあいつは良いやつだから、憧れの気持ちからだろ…とかあまり深く考えなかった。
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