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第2話
僕が産まれる数百年前に数人に魔力が宿りそれは瞬く間に世界中へと広がったのだ。
魔力の源は世界各国で発掘された魔法石の魔力によるもので魔法石は世界各国で厳重に保管されている。
人それぞれに反映するのだが僕の魔力は本当に低くて特に攻撃魔法は全くダメなのだ。
僕の父親は魔法省のトップで2人の兄は国で最高の大学に通っている。
母親もまた防御魔法の教師。
「授業はここまでだ。それからアランは放課後に攻撃魔法科の準備室に来なさい。」
「はい。」
僕の名前はアラン・エヴァンス。
また僕だけ呼び出されてローゼン先生の魔法の話を聞かされるんだ。
聞かされても魔力の低い僕なんて試験に合格するわけがないんだ。
筆記試験は満点だけれども実技の試験は殆どが落第点でそれでも治癒魔法だけは楽に中級試験を合格した。
治癒魔法を使う時には何故か体から熱を感じて魔力が高まる感じなんだけれど攻撃魔法になると手足が冷たくなり思うように魔力がコントロール出来ない。
「そんな顔してんなよアラン。」
「アドルフ。」
教科書を鞄に入れていると幼馴染のアドルフ・モーリスが僕の肩を軽く叩いて励ましてくれた。
アドルフとは家が隣でアドルフの父親も魔法省で働いている。
「僕はダメだよ。アドルフは中級試験合格おめでとう。」
「うん。ありがとう。アランには筆記試験で俺は勝てないよ。だからそう落ち込むなよ。」
「アドルフは凄いよ。筆記試験も実技試験も学年2位なんだから本当に凄いよ。」
「俺は凄くないよ。それより俺さ彼女が出来たんだ。毎日帰る約束してさごめんアラン。」
「おめでとうだ。僕の事は気にしなくて良いよ。」
「ありがとうな。じゃあ、授業始まるからまた昼休みなアラン。」
笑顔で席に戻るアドルフの背中を見つめて僕は溜息をつきいつもの様にボンヤリと窓の外を眺めていた。
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