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第3話
授業が終わりローゼン先生に言われた攻撃魔法科の準備室に向かおうとしていると前から沢山の生徒に囲まれてあの人が歩いて来る。
僕の憧れで想いを寄せる人。
男の僕が告白して付き合って欲しいとか思ってはいけないだから遠くからでもあの人を見れたらそれで良い。
今日の呼び出しは悲しいけどあの人を見れたのだからそれだけで幸せだ。
近付くにつれて僕は前を向いて歩けなり少し下を向いて歩いていた。
誰かとすれ違う時に肩がぶつかり僕はよろけて倒れそうになってしまった。
そんな僕の腕を力強く掴むと僕を引き寄せて腕の中にスッポリと納めたのだ。
しっかりと腕を掴まれて腰に回された腕は優しく抱き締め僕はその人の胸に顔を埋めていた。
「大丈夫だったかな?」
「あっ、はい。すみません。」
「前を向いて歩かないと転んでしまうよ。」
「えっと・・ありがと・・ござ・・・い・・ます。」
顔を上げると優しく笑いかけ僕を見つめてくれるのは憧れのあの人だった。
頭が真っ白になりちゃんとお礼を言っているのかも分からないままで僕を見つめるあの人を見ていた。
「君?」
「へっ?あっ!すみません。」
「おっと!本当に大丈夫?」
僕は慌てて憧れの人から離れようとしてまたもやよろけてしまい腕を掴まれて支えてもらっていた。
本当に何をしてるんだ僕は凄く恥ずかしい。
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