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第4話

「オーウェン、早く行かないと皆が待っている。」 「分かってるアルバート。先に行っていてくれないか?」 「1人にするなと言われているから待っている。」 「じゃあ、少し待っていてくれアルバート。」 僕を優しく抱き締めながらいつも隣にいる一学年上のアルバート・エドワーズと笑顔で話しているアルバート・エドワーズと同じ学年の憧れの人。 これは夢に違いない! きっと本当はよろけたんじゃなくて倒れて頭をぶつけて気を失って自分の良いような夢を見ているんだ。 「はやく・・・おきなきゃ・・・。」 「大丈夫かい?アラン・エヴァンス。」 オーウェン様が僕の名前を呼んだ事に驚き顔を上げると眩しいくらいの笑顔で僕を見ている。 夢だ! オーウェン様が僕の名前を知ってるなんてあり得ない。 「違ったかな?名札に名前があるから君はアラン・エヴァンスだよね。魔法省の魔法総監をされているのは君のお父上じゃないのかな?僕の父からアランの話をよく聞いているんだよ。」 「あの・・・僕・・・・・。」 「アラン、今日は時間が無いので失礼するよ。アルバートが睨んでるしね。またゆっくりと話をしよう。気を付けて歩くんだよ。」 チュッ! 「へっ?」 今・・・く・・くっ・・・唇に! 『きゃあ〜っ!オーウェン様が!!!』 周りにいた女子生徒の悲鳴に似た叫びと男子生徒が驚き叫ぶ低い声が混ざり合い僕は何が起きたのか理解できないでいる。 けれど理解出来たのはオーウェン様の肩越しに見えたのは僕を凄い顔して睨んでいたアルバート・エドワーズだった。 僕は何が起きたのか理解出来ないまま魔法攻撃科の準備室に行き先生が何を話していたのかも覚えてない。 時折アルバート・エドワーズの憎しみに満ちた視線が胸に突き刺さるのを感じていた。

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