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第7話

昼休みになり僕は地下にある物置にされている部屋にやって来た。 ここなら誰も来ないから落ち着いてお弁当を食べれる。 以前はアドルフと教室でお弁当を食べていたけれど今は一人ぼっちになってしまった。 「はぁ〜。美味しくない。」 アドルフと一緒に食べている時はすごく美味しくてでも一人で食べるお弁当は味気なくて美味しく感じない。 ガタッ! えっ? 誰も来ないと思っていたけれどドアが動く音が聞こえて来て僕は慌てて近くにあった棚と棚の隙間に入って身を屈めた。 建て付けが悪いからドアを一旦持ち上げてから引かないと開かないんだ。 それを知っているって事はココによく来ている人だ。 「アランなんていないぞ!本当にここなんだろうなアドルフ。」 アドルフ? 「ここに入るのは数日確認してるんだ。まだ来てないのかな?」 「待とうぜ!オーウェン様にした事がやはり許せない。それにオーウェン様はアドルフとお付き合いしてるんだろ?」 「うん。」 えっ? どういう事なの? 確かアドルフは彼女が出来たって言っていたじゃないのか? ガタッ! あっ・・しまった。 動揺したあまりに僕の肩が棚にぶつかり音を出してしまった。 「そこに居るのか!出てこいよアランなんだろ!!」 怒りに満ちた様なアドルフの声が聞こえてくる。 こんなアドルフの声は聞いた事がなくて恐怖で僕の体は強張りガタガタと震えて動けなくなっていた。 バンッ! すぐ側に雷が落ちて床には穴が空きそこから小さな煙が立ち上っている。 手当たり次第に雷が落ち僕は恐怖で体を震わせながら目を瞑り耳を塞いでうずくまっていた。 アドルフ・・・。

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