8 / 16
第8話
雷が止んだ?
僕は耳を塞いでいた手をゆっくりと下ろし周りの様子伺うように見渡すと微かだが人の話し声というか怒りに満ちた低い声が聞こえて来た。
低くて冷たい感じの声はアルバート・エドワーズだ。
どうしてここに居るの?
「お前らここで攻撃魔法を使うと言う事の意味を理解しているんだろうな停学か退学になりたいからなのか?」
「違います。すみません。」
「今日は見なかった事にしてやる。次に攻撃魔法を使っていたら分かるよなアドルフ。」
「はい。」
「オーウェンが探していたから行け。」
低く冷たい声が部屋に響くとバタバタと2人は部屋から出て行きドアの閉まる音が聞こえて僕は胸を撫で下ろした。
それと同時に疑問が浮かんだのだ何故アルバート・エドワーズがここにいるのかという事だ。
「何故、俺が居るか知りたいかアラン。」
「ヒィッ!」
「クックッ。化け物でも出た様な驚き方だなアランは怪我はしていないか?」
僕の腕を掴みながらゆっくりと立たせる様に棚から僕を引きずり出し体に外傷がないかチェックをするアルバート・エドワーズ。
そして最後に下を向いていた顔を上に向かされたのだ。
「だからオーウェンには近づいたらダメなんだ。お前は言い付けを守っていたが今回は予期できなかった。すまないアラン。」
「僕・・・うゔっ・・ヒクッ・・・怖くて・・・・アドルフがあんな・・・親友・・・。」
「泣くなアラン。守ってやれなくて怖い思いをさせて悪かった。」
アルバート・エドワーズの優しい言葉に一気に恐怖が押し寄せそれと親友の行為にパニックになり僕は泣き出してしまった。
泣きじゃくる僕をアルバート・エドワーズは腕の中に引き寄せ優しく抱き締めてくれたのに僕が気付いたのは涙が止まる頃だった。
恥ずかしいよ。
泣き止んだけれど顔が上げれなくアルバート・エドワーズの胸に顔を擦り寄せてしまいこの行為が悪かったのかこの後にもっと恥ずかしい事になってしまうなんて思わなかった。
本当にどうしよう!!
ともだちにシェアしよう!