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第13話

温かい。 少し目を開けると誰かに抱き締められていて僕は確認する様にペタペタと相手に触っていると手を掴まれてしまった。 「目が覚めたか?あまり触られるとくすぐったいのだがアラン。」 優しく話しかけて頭にキスを落としてくれているこの人を僕は知っているよ。 「アルバート。僕は・・・。」 「まだ起きれてないみたいだなアラン。」 「起きる?」 僕はどうしてアルバートの腕の中で寝ているの? まだ重たい瞼を数回ゆっくり瞬きをして何かを思い出そうとした時だった。 僕の唇に優しくアルバートの唇が触れた。 「目は覚めたか?」 「あの・・えっ?」 目は覚めたけれど確かアルバートは怪我して目が開かなくて僕はあの後どうなってしまったの? 「えっと、僕は目の前が真っ暗になってから気付いたらアルバートの腕の中で・・・。」 そう言うとアルバートは悲しそうな顔をして僕を見つめている。 どうしようまた僕はアルバートに何かしたのかな? 「アランが治癒魔法で治そうとしてくれた時にアランの気持ちが俺の中に入り込んで来た。凄く嬉しくて目を開けたら俺の上に倒れ込んでいた。」 「僕の・・・気持ち?」 あっ! 思い出して一気に身体が熱くなりアルバートの腕から逃れようとしたが手を掴まれていて逃げれない。 あの時、アルバートを好きとそう思った。

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