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第3話
時は経ちあれから10年以上の年月が過ぎていた
ここは天狗の結界の中の森
そこで大木の枝の上で小鳥と戯れる一人の青年の姿がある
「凛そんなところに登って落ちたらどうする
全くお前はいつも私の言うことを聞かない」
「天理!!ごめんなさい
でもここ眺めいいし」
呆れた様子で木の下から見上げる天狗、天理は
10年以上経っても変わらぬ姿のままだ
そして木の上から見下ろすのは青年に成長した凛
「今降りるから」
そう言って大木から降りようと下の枝に足をかけようとすると滑って真っ逆さまに落ちる
「うわっ」
「凛!!」
天理は大きな翼を羽ばたかせ落ちる凛を
受け止めた
「あまり私を心配させるな」
そう言って凛を抱きしめる
「…ごめんなさい
ありがとう大好き…天理」
凛も天理を抱きしめ返し
お互いどちらともなくキスをする
10年ほど前犬神の餌となるはずだった
あのときの少年の凛は未だ天理の傍にいる
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