そして凛の中に埋め込んだ指を抜くと 自らのそれを後孔へ宛がった その時だった＿＿＿＿＿＿ 突然の突風が紅牙を襲い壁に打ち付けられ 壁には大きなヒビが入った ｢天……理………｣ そこに現れた天理 凛が紅牙に襲われているのを目にし怒りを露わにする ｢貴様‼凛に何をした⁉｣ 天理はしゃがみ込む紅牙に離れたところから神通力を使い 彼の身体を持ち上げ首を絞める 今にも殺されそうで苦痛に顔を歪ませる紅牙だが笑って見せる だってこんなに怒り狂う天狗の姿は見たことない こんな表情(かお)も出来るのかと新たな一面を見れたのだから そんな彼を天理は力いっぱいに壁へと打ち付け隣の その隣の部屋の壁にまで吹き飛んでしまった 流石は天狗 彼の妖力(ちから)は桁違い けれどそんなことは疾(と)うの昔に分かっていること 何も策無しにこんな化け物と戦うわけがない すると紅牙はパチンと指を鳴らした それを合図に凛の傍から床から湧いてくるように 子鬼が何匹も現れ凛を囲む