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第13話
凛を取り囲む小鬼達に紅牙はニヤリと笑い
ゆっくりと立ち上がる
「少しでも下手な真似をしてみろ
あの人間を殺す」
この言葉に天理は紅牙を睨み眉間に皺を寄せる
紅牙を殺す事は出来る
だが、人質を取られてしまえば出来ることは限られる
どうにか凛を解放しなければならないが
下手に動けばあれでも鬼神、すぐに気づき
凛を迷わず殺すだろう
さて、どうするべきか………
するとこう紅牙は天理の元へ一歩一歩近づき
目の前に来ると天理の首を掴むと床へと叩きつける
「天理!!」
今すぐにでも天理の元へ駆けつけたい凛だが
それを小鬼が阻む
「は、はははははっ………
これだよ、これが見たかったんだ
お前が為す術もなくやられる様をな!!」
苦しみながら自分を睨む目に快感を覚える
いつも無感情に自分を見ていたのに今はどうだ?
こちらを見ているではないか
このままどうしてやろうか?
あの人間を殺したら天狗はどんな表情 を
するだろうか?
それともいっそこの天狗を殺してしまおうか
色々考えているその時だった
「ぐあああああ!!」
大きな白い犬が物凄い勢いでこの屋敷に侵入してくると小鬼を薙ぎ倒し凛を咥えて奪ったのだ
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