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第6話

風呂から上がり再度回りを見渡してみる ここには俺の住んでいた街とはかけ離れている 木々が生い茂り地面が青々とし空も透き通るように美しかった。何かの声がするがそれはいつも聞いていたものとは違い幼い頃スクリーンの中で見た鳥の囀りだと思われる 外に出るときに変な機械もつける必要がない。空気が澄んでいるからか呼吸もできるのだ 俺のいた街は空は常にダークグレーで地面には肉塊が転がっている。 廃墟と化した建物たちの中にポツポツと綺麗な建物が見える。それがシェルターだと聞いている シェルターの中は絶えず新鮮な空気が送り込まれ生きるために必要なものは中で揃うそうだ 俺の親もそこにいるんだろう 「ここにいたのか」 「勝手に出てしまってすいません」 「いや。この世界が珍しいのだろう?」 「はい。俺のいたところはこんなに綺麗じゃないですから」 「あの世界は文明が進みすぎ自然を蔑ろにしてしまった故の罰。いつの世も全てのものと共存して行くのが努めだというのに」 「俺がいなくなったあとどうなっているのでしょう?」 「あそこにはお前に良く似た木偶を置いてきた」 「人形?」 「あぁ。あの世界のものには人にしか見えないものだ。心配するな」 「俺は何をすればいいですか?見返りは?」 「そうだな…俺の嫁になれ」 「嫁?俺男ですよ」 「はっはっはっ…そんなことは聞かずともわかっている」 「バカにしてます?」 「まぁそうカリカリするな」 何が面白いのか目の前で腹を抱え涙を流しながら笑うこいつ… そう言えばまじまじと顔を見たのは初めてだけど今まで見たこともないほど美しい顔をしていた 「どうした?俺の顔に惚れたか?」 「ちがっ…」 言葉を紡ごうとすると唇が塞がれていた 「甘いな。朔は」 狼狽えている俺を見て舌舐めずりしたのちニッコリと微笑んだイザヤは再度唇を重ねる。 「ちょっとイザヤさん…待って…」 あまりにも巧みな舌使いに思わず腰を引く。 離さないとばかりに腰をがっちり固定した彼はまたも妖艶に微笑み口付ける。 繰り返される甘い優しい行為に戸惑った こんなのは知らない…無理矢理に重ねられることはあったがただ苦しいだけだった。 無理矢理に抉じ開けられ気持ち悪い物を加えさせられたりする為の場所だった。 口付けだけで腰がたたなくなった俺を横抱きにし大きな広い部屋に運んだ。

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