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Ⅴ.ずっと見てた

勉強会を城之内の家でやってからの俺は、授業中後ろを向いて城之内にわからない所を聞きまくるようになっていた。 そしてついにこの日がやってきた。今日のロングホームルームで、俺達クラスは席替えをする…。 「マジか。どうしよー!俺授業で分からんくなったら亜輝斗か城之内にしか聞けねぇ!あとは…先生が通りすがった時っ!」 俺は後ろに向いて城之内に話し掛ける。 「いや、普通に手あげて先生に質問しろって。」 「そんな勇気俺にはないっ!」 ____ガラガラ 担任の先生が教室に入って来た。 「えー。じゃあ、始めようか。」 号令がかかってお辞儀をし、席に着く。先生がクジを作って来たと、紙コップに入ったクジが前の席から回ってきた。 「お願いしまっ!…えいっ!」 「よーし、次俺だね。」 俺は一番底にある、折り畳まれた紙を引っ張る。次に城之内も紙コップをあさる。俺は書かれてある番号を早く確認しようと乱暴に開くとなんと『1番だ!おめでとう!』と書かれていた!畜生! 「くっそ!何でだよ!1番前かよ!何だよおめでとうって!先生の一言むかつくし!」 「あちゃー。あっ、数学の先生って前に居る人狙って当てるから…なんか…どんまい?」 まじそれな!俺のこれからの1ヶ月はオワッタナ…。 「あぁっ!なんでっ…はっ!おい、城之内!お前何番だ?」 俺はゴクリと唾を飲んだ。

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