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第2話
ノックして思った……あ、僕って開けて貰わなくても通り抜けられるって。
でも、驚かれたら困るし……って窓ノックする時点で驚かれるよね?ここ……7階の部屋のベランダだった。
人間でこんなとこ普通に来ないもんね、ルパンとか怪盗〇ッドとか……あ、漫画の続き読みに漫画喫茶行かなきゃ!
って、こんな事考えてる場合じゃない。道を聞かなきゃ……中の人を見るとまだこっちを見ていて、僕はある事に気付いた。
こっちを見ている人は椅子に立っていて首にロープを巻き付けている。
えっ?自殺するの?
僕は慌てて窓硝子を通り抜けて部屋に入った。
椅子に立つ男の人は僕を見ている。
やっぱ……霊感ある人だ。
「お前……何?幽霊?」
「えっ?幽霊とかじゃなくて……その……あの貴方は何してるんですか?」
見りゃ分かるのに聞いてしまった。
「何しているように見える?」
くっ!!質問を質問で返されてしまった。
「自殺するんですか?何で?」
「何で?それ聞くか?」
「はい」
返事をして、僕は思った……えっ?今夜迎えに行かなきゃいけない人ってこの人?
えっ?死ぬの待つの?
僕……亡くなって暫くした人しか迎えに行った事ない。
目の前で死んで出来たてホヤホヤの魂持っていくの?マジで?
一応、確かめよう。
「あの、ここって2丁目ですか?」
「は?突然何?1丁目だけど?」
えっ?1丁目!!
「あの、名前、名前何ですか?」
「は?何で幽霊に名前言わなきゃいけないんだよ?」
「教えてください!」
「やだよ、俺は死ぬんだし……あ、でも、お前の仲間になっちゃうなあ」
男の人はそう言って椅子を蹴った。
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