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第3話

「ちょっと!何してるんですか!」 僕はその人の身体を支えて、カッコよく助けるつもりがロープが急に切れてドサッと床へ落ちた。 ゴンっ!派手な音が聞こえて頭に痛みが。 「痛いいいい」 僕は痛い所を押さえる。 「えっ?ちょっと大丈夫?えっ?お前幽霊じゃないのかよ?」 男性が焦った顔で転がる僕を抱き起こす。 「痛いですう」 凄く痛くて涙目で訴えると「待ってろ」とどこかへ消えて、戻ってきた時には濡れたタオルを手にしていた。 「どこ打った?病院とか行った方がいいのかな?」 心配そうに僕の頭にタオルをあてる。 凄い……優しいなあこの人。 顔を見ると……イケメン!!めっちゃイケメンですやん!!先輩よりイケメンかも!! 「何、見てんだ?」 「お兄さんイケメンですね」 「は?」 「先輩が1番イケメンだと思ってましたけど、お兄さんの方がイケメンです」 「お前……」 僕を見つめた後、大笑い始めた。 「お前面白い」 「わ、笑うと可愛くなるんですね!」 大笑いしたその人は急に幼くなって可愛くなった。 「お前なあ」 僕をじーっとみて「お前の方が可愛いじゃん?お前どっからきたの?」と聞いてきたので、 「僕……死神の研修中で……その迷子に」 「は?死神?」 「はい」 「うそやーん!お前、まだ子供だろ?中学生か高校生くらい?」 「し、失礼な!!僕は大人ですよ!」 僕は勢い良く立ち上がり、そのせいで目眩を起こし、ポスンと男性の腕の中に……。

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