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第22話
真っ白なカーテンに囲まれた空間に、気まずいようなくすぐったいような、なんとも形容のしようがない沈黙が降りてきた。
外から体育の授業を受けるクラスメートたちの声がかすかに聞こえてくる。
沈黙を破ったのは秋斗のほうだった。
「なあ、白兎」
「え?」
呼び方がまた『白兎』に戻った。
そのことに軽く落ち込みつつも、友悟は傍に座る秋斗を見上げた。
「……さっき、気持ち悪かっただろ? あんな増月なんかに……触られて」
「…………」
友悟はきつく唇を噛みしめた。
当たり前じゃないか。どうして秋斗はそんなことを聞くのだろう。もう忘れてしまいたいのに……。
「だからさ」
「え?」
「だから、オレが消してやるよ、友悟」
「は?」
また『友悟』になった。……今日の秋斗はちょっと変?
心の半分ではそんなことを考え、もう半分では、彼が口にした言葉を反芻していた。
オレが消してやる……? 意味が分からない。
すると、秋斗の手が友悟の制服のシャツの襟元に触れた。ゆっくりとボタンを外していく。
「えっ? えっ? 秋斗っ?」
秋斗の突然の行動にただただ戸惑う友悟。
「な、な、なにっ? え? ちょ……、秋斗っ……?」
ボタンを外し終えた秋斗の手がシャツの中へ入って来て、友悟はパニックに陥った。
いったい、なにこれ? 秋斗、どうして? なんで。
思考がぐるぐる回る。
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