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第24話

「気持ちいい? 友悟」  熱い吐息とともに囁きを耳元へ吹き込まれて、体にゾク……と妖しい感覚が走り抜けた。 「んっ……んっ……、秋斗……秋、斗……」  秋斗の手であたえられる刺激は、自分でするのとは比べ物にならないくらいに、すごく気持ちよくて、嵐のような快感が何度も友悟を翻弄する。  抵抗する気力は消え去り、秋斗がくれる快楽に身をまかせた。  彼の巧みな愛撫に友悟はもうなにも考えられなくなり、唇からは甘ったるい声だけが零れ落ちる。  あまり長くは持たず、絶頂が近づいてきた。  友悟はふるふると小さく頭を左右に振りながら、高みへと昇り詰めていく。  友悟が達する瞬間、 「あ、ああ……、秋……ん……」  ひときわ高く響く嬌声をふさぐように、秋斗の唇が友悟の唇に重ねられた。  失神と放心の狭間をたゆたっていた友悟の意識がゆっくりと現実世界へと戻ってくる。 「友悟……?」  意識がはっきりと焦点を結んだとき、友悟の耳に秋斗の声が飛び込んできた。  やさしく名前を呼んでくれている。 「……秋、斗……」  出てきた声はひどく掠れていた。  ぼんやりと秋斗のほうを見上げると、彼の綺麗な切れ長の目とぶつかった。 「増月のクズ野郎が触ったところは、オレが消してやったから」  秋斗はそう言うと、友悟の額をそっと撫でてくれる。 「だからもう、気持ち悪くないだろ?」 「うん……」  秋斗の言う通り、増月に触られたときの気持ち悪い感触は、もう記憶から消えていた。  秋斗の、少しひんやりとした手に触れられた心地よさと、熱い吐息とともに『友悟』と呼ばれた甘い疼きに上書きされて。

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