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第27話

「あーあ。ほんと、今日一日で一か月分くらい疲れたって気がするな……」  放課後。上履きからスニーカーに履き替えながら、友悟は盛大な溜息を零し呟いた。  校舎の外に出て空を見上げると、青空が広がっている。  ……この一週間はずっといい天気が続くって、天気予報で言ってたもんなー。 「おまじない、挑戦できないな」  友悟はあきらめずに、おまじないに挑戦し続けているが、やはり成功していない。  こんな他力本願的なことでは、叶うものも叶わない気もするが、だからといって誰にも相談できないし、玉砕するのはなにより怖い。  だから結局、おまじないにでも願いをかけるしかなかった。 「はあ……」  友悟がこの日もう何度目か分からない溜息をついたとき、後ろから声が追いかけてきた。 「白兎っ」  途端に友悟の心拍が急激に跳ね上がる。  ドキドキする胸を押さえながら振り返ると、秋斗が走って来るのが、見えた。 「な、なに? 秋斗」  情けないことに声が震える。  秋斗の顔を直視することができずに、ついついうつむいてしまう。  がんばって視線を少しずつ上げていくと、彼の手が視界に入ってきた。頭の中で保健室での行為が勝手に再生されて、全身が火照る。 「家まで送るよ、白兎」 「え? な、なんで?」  突然の秋斗の申し出に、友悟は戸惑った。  二人とも徒歩通学なのだが、確か自宅は反対方向にあったはずだ。

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