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第41話

「あっ、は、はい。ありがとうございます。お、おじゃまします」  ようやく美貌の親子の呪縛から解けて、わたわたと挨拶をする。  秋斗の母親は尚も笑みを深めた。 「本当に聞いていたイメージ通り。白くてふかふかのミニうさぎって感じね。かわいい」 「は、はあ……」  なんか言うことまで秋斗に似てるなー。うさぎうさぎって。  本当に秋斗ってば僕のことどんなふうに話してるんだか……。  それでも、好きな人が家で自分の話題をしてくれているのはうれしかった。 「白兎、オレの部屋、上だから。母さん、なにか飲み物持ってきてよ」 「はいはい」  母親が奥へ歩いていき、二人は秋斗の部屋へ向かった。  ドキドキしながら入った秋斗の部屋は、八畳ほどの洋室で、第一印象は『殺風景』だった。  余計なものはないというか、装飾品の類がまったくない。実用本位のカレンダーが壁にポツンとかけられているだけだ。 「殺風景な部屋とか思ってるだろ? 白兎」 「え? あ、まあ……。秋斗の部屋らしいっていうか……」 「この部屋さ、実はすごくクローゼットが充実してるんだ。だから細々したものはみんなそこに収まってしまうんだよ。こっちのクローゼットは洋服関係が入っていて、もう一つのこっちは――」  秋斗はそう言うと、二つあるうちの一つのクローゼットを開けた。

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