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第47話
「……うーん。顔立ちはお母さん似で、雰囲気はお父さん似ってところかな。お父さんとは今日会えなかったから、アルバムの写真を見た感じなんだけど」
「なんかおかしな例えだな。雰囲気が親父に似てるって?」
「うん。うまく言えないけど、醸し出しているムードみたいなのがね。……でもほんとう美男美女のご両親だよね、やっぱり」
そりゃ息子も超イケメンに生まれるはずだ。
「白兎のところも、ご両親とも美男美女じゃん」
「えー? うちは平凡だと思うけど」
「お母さんがうさぎで、お父さんはコリー犬って感じだよな」
「……秋斗って、本当そういう例え方好きだよねー」
「あはは」
少し前を歩いていた秋斗が、いつの間にかすぐ隣に並んでいた。
彼の端整な横顔を切なく疼く思いで見つめる。
秋斗の恋人として隣にいられれば、どんなに幸せだろう。
でも……、それはきっと無理なこと。
だったらせめて、『親友』という立場でいいから秋斗の隣にいたい……。
そんなふうに願う友悟だったが、そのささやかな願いさえも砕け散ってしまういそうな出来事が起きてしまう――。
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