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第67話

 熱いシャワーに打たれながら、秋斗の気持ちはひどく乱れていた。  白兎に……友悟に、好きな子がいる……。  そのことが秋斗の心を乱しているのだ。  清楚な美少女のような容姿をしていても、友悟だって秋斗と同じ十七歳の男である。  意中の女性がいて当然だ。  そのことは充分分かっていたはずだったのに、実際に彼の口から好きな子がいるという発言が飛び出したとき、秋斗はものすごく動揺してしまった。  普段、秋斗と友悟は恋愛関係の話はほとんどしない。  友悟はその浮世離れした美貌のせいで、愛憎渦巻く恋愛事とは無縁に見えるし、事実かなり奥手のようだ。  秋斗が何気なく口にしたおまじないに頼っているくらいだから、友悟の恋は今のところ片思いなのだろう。  でもこれから先は分からない。早くどうにかしなければ……。  たまらない焦燥感を抱えたままシャワーを終え、秋斗が部屋へ戻ってみると、友悟はベッドで眠っていた。  食後に飲んだ解熱剤が効いてきたらしい。  綺麗な額にそっと触れてみると、熱は幾分下がったみたいだった。  秋斗はひとまず安堵の息をつくと、友悟を起こさないように氷枕を取り、再び部屋を出る。  階下のキッチンへと行き、氷枕の氷を新しいものに替え、ついでに冷蔵庫のミネラルウォーターをもらった。

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