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第81話
秋斗は細く長い指をした手で、友悟の体をパジャマの上からまさぐりつつ、キスを深めていく。
呼吸するのが少し苦しくなってきて、薄っすらと開いた友悟の唇を割って、秋斗が舌を侵入させてきた。
「んっ……ん……」
初めてのディープキスに怯え逃げる舌を、追いかけられ捕まえられる。
絡み合う舌。
大人の、淫らなキスはとても熱く、友悟はまだまだ慣れることはできそうにないが、もちろん嫌ではない。
むしろ好きな人の濡れた舌に口腔をむさぼられるのは、頭がしびれるくらいに心地よい。
深く長い口づけのあと、秋斗は友悟の瞳をのぞき込むようにして聞いてきた。
「……友悟、しても、いい?」
そんなこと、聞かないで欲しい。
『したい』なんて、恥ずかしくて友悟には言えない。
なのに、秋斗が友悟の返事を固唾をのんで待っているのが、ヒシヒシと伝わってくる。
友悟はありったけの勇気を振り絞って、小さくうなずいてみせた。
本当は友悟も秋斗が欲しくて、もう限界だった。
ずっと思い続け、でもあきらめてもいた、夢。
秋斗と抱き合い、一つになること。
友悟だって十七歳の男だから、そういう欲望だって当たり前に持っている。
秋斗はもう一度友悟の唇にキスをくれると、上半身を起こし服を脱いだ。
友悟は思わず目を伏せてしまう。
彼の上半身裸なんて体育の授業のときの着替えや、海やプールへ行ったときに見慣れているはずなのに。
こういうシチュエーションであらわにされる秋斗の半裸は、すごくエロく感じられて、どうしても直視できない。
「友悟……好きだよ……おまえの風邪、オレがもらってやるよ……」
ただただ恥ずかしがっている友悟の耳に、秋斗の囁きが贈られる。
これ以上はないくらいにやさしい声で囁きながら、彼の手がそっと友悟の頬に触れた。
友悟の胸に秋斗への愛しさが込み上げてきて、
「……僕も、秋斗が好き……風邪なんて、もうどっか行っちゃった……」
消え入りそうな声でそう返した。
友悟の言葉を受けて、秋斗がゆっくりとのしかかってくる。
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