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雨音の家 21

「だめだ」と東城は広瀬の希望を否定した。「喧嘩したら、その後は、セックスするんだよ」 「は?」なんだそれ。 「だから、喧嘩したら、どうしても頭の中がすっきりしないだろ。そういう時は頭使わないことすんだよ。身体が気持ちよくなって、頭の中真っ白になったら、もう、いろんなことどうでもよくなるから。昔から言われてるだろ。喧嘩したら仲直りするのに一番いい方法はエッチすることって」 広瀬は唖然とした。「あの、そんな話聞いたことないです」 「そうか?でも、そうなんだよ。だから、このままキスしてセックスしよう」強引に引き寄せられる。 「いや、ちょっと」と広瀬は言った。「ちょっと待ってください」 「なんで?」 「俺、腹が減ってて、それに風呂も」 「それは、後でいいよ。すぐ済むから。飯も、風呂も、後、後」 「ええ?!」 東城は抵抗する広瀬を軽くいなし、シャツのボタンをはずしていく。 首筋を軽く噛まれた。 「東城さん、って。ちょっと」あんまりだ、こんなこと。 「苦情も後で、」 彼は、手を伸ばすとリビングの灯りを少し落とす。 「しかも、ここで?」と広瀬は言う。声が裏返りそうだ。 「そうだ。すぐにするのが効果的なんだから」と彼は言った。

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