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春の酔い 10

「動かないって」 「それ、お前痛いだろう。それに、俺もその中に押し込まれれたら、狭すぎてさすがに痛いよ」そう言うと、こっちにといって身体を自分の胸に倒させようとした。「俺がやってやるから」 「東城さんは、じっとしてるんじゃないんですか?」といやそうに広瀬は言う。 「じっとしてるけど、多少協力するのはいいだろ。このままじゃ、いつまでたってもできなさそうだし」 「できますよ」 意地になっているようだ。広瀬は、もう一度自分に指を使おうとしている。ぐいぐいと強く入れようとしている様子が、痛そうで身体がかわいそうだ。 「あ、!」と広瀬が声を上げた。「なにす、」 東城が彼の腰をつかんで、くるっと体勢を入れ替えたから、抗議してきたのだ。 「広瀬、今のままだったら生殺し」と東城はこたえて、嫌がる広瀬をおさえた。「暴れんなよ。激しい運動をしなきゃならなくなるだろ」 「東城さんが、約束を破るから」 「ずっと、お前が俺の上でなんかわかんない、じらしショーを見せてんのの方がどうかと思うぜ」下になった広瀬の尻の間に手を差し入れる。 そこはジェルで十分に濡れていた。 「あぁ、」と広瀬は声をあげる。 「こうやって入れるんだよ。優しく、ゆっくり、円を描くみたいに」と東城は言った。「こうして、なぞって押してると、ほら、ひらくだろ」 広瀬はふいっと横を向いた。顔が赤い。唇を噛んでいるが、途中からは抗議には遠い声が漏れてくる。 「お前の身体、俺の指を覚えてるから、すぐになじむ」 いやだ、と彼は口にしたが、身体は反応しているから平気だ。中にゆっくりいれてかきまぜると、身体をゆらした。

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