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止められない気持ち。
ⅡⅩ
『彼に至ってはもう貴方に魅了されているだろうから――』
ヴィンセントへの恋心を有り有りと自覚したセシルは、イブリンに後押しされて勇気をもらった。
彼女のおかげでショースも無事に渡すことができたのだ。イブリンには感謝してもしきれない。
それに……。カールトン卿はセシルからのプレゼントを快く受け取ってくれた。それだけでセシルの胸が幸福で満たされていく……。
日が沈んだ翌日も、彼は寝室に姿を現した。すらりとしたその長い足にまとっているのは、昨夜セシルがプレゼントしたばかりの白のショースだ。
自分が編んだものを身に着けてくれている。
そう思うと、身体がじんわりと熱を持つ。
「可愛いセシル」
耳元で囁かれ、耳孔に入る熱がこそばゆい。
「……ん」
首を窄め、恥ずかしいという気持ちを抑え込む。
喘いでしまいそうになる声を堪えるため、懸命に唇を閉ざした。それなのに、彼はセシルの気持ちを知ってか知らずか、キュロットに手を掛け、下着ごとセシルの足から抜き取った。
このところ、二人の間で日課になりつつあるそれを、彼は実行に移す。骨張った大きな手が、剥き出しになったセシルの一物に触れる。
「あっ……」
この行為の意味を知っているそこは、これから与えられるであろう快楽を待ち望み、熱を孕ませる。セシルの一物に触れる、ひんやりとした手の感触が気持ち悦い。
「あっ、ヴィンセント!」
「気持ちが悦い?」
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