140 / 241
浅はかな。
不安になったセシルが尋ねた。しかし彼は身体を離すと無言のまま背を向け、寝室を去って行った。
もの悲しい音を残して寝室の扉が閉まる。
一人、取り残されたセシルは意味も判らず、呆然としてしまう。
沈黙が続く空っぽの空間。一人きりになったそこには、暖炉の炎だけが乾いた音を立てている。
カールトン卿が自分の元から去ってしまった。
セシルがそれに気が付いたのは、それからしばらく経った後のことだった。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
140 / 241
ともだちにシェアしよう!