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醜い化け物。
「セシル!!」
「お願いです、どうか愚かで汚い僕にそのような優しい言葉をお掛けにならないでください」
自分が身の程をわきまえず振る舞った結果、カールトン卿に愛想を尽かされてしまった。
これ以上、彼女の優しさを真に受けてはいけないし、それを受け入れてもいけない。だって自分はとても醜い化け物だから……。
目頭が熱い。これ以上は涙を堪えられそうにない。
セシルは寝室へ逃げ込んだ。
(もう誰とも話したくない。優しい言葉だって苦しいだけだ……)
セシルは扉に手を伸ばし、誰も部屋に入って来られないよう、この屋敷へ来てはじめて扉に鍵をかけた。
金属音が虚しく部屋に響く……。
セシルは大きすぎるベッドに倒れ込んだ。
シーツに染み付いたジャスミンの香りが微かに香る。けれどもその香りは今となってはいっそう虚しい気持ちにさせるだけだ。
セシルはその日、涙が涸れるまで大声を上げてむせび泣いた。
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