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お節介がすぎる。

「なんだって? それで伯母上はぼくたち家族のことを話したのか?」 「ああ、イブリンの夫にはすでにご婦人がいたこと。それからご婦人は魔女で、ヴィンセントがヴァンパイアにされたことの、何もかもを――」  ガストンの頷きに、ヴィンセントは舌打ちをした。  激痛で頭が割れそうだ。ただでさえ、陽が昇る今、ヴァンパイアのヴィンセントには耐えられない時間帯だというのに、打ち明けられたガストンの言葉で、さらに彼の頭が悲鳴を訴えた。  伯母はなぜそうも簡単に自分たちの秘密を打ち明けたのか。  優しく生真面目なセシルが全てを知れば、彼がどう動くかくらい判るだろうに――。  おそらく彼はイブリンとヴィンセントに同情を抱いた筈だ。そうなれば、自分をとことんまで卑下している彼のことだ。自分を犠牲にしてもイブリンやヴィンセントを助けたいと思うだろう。  ああ、セシル。君は魔女に会いに行ったのか? いや待て、セシルは魔女の存在を知っただけだ。魔女と接触できる筈もない。それでも、もしかすると彼は何らかの方法で魔女を探そうとしているのかもしれない。  ――いや、そもそも、魔女がセシルを攫うよう、人攫いに依頼したならば、もうとっくにセシルとコンタクトを取っている可能性だってある。  なにせ自分は闇の世界でしか生きることができないし、母イブリンだってもう若くはない。いくら身体が弱いセシルでも、彼の方がイブリンよりもずっと行動力はある。それに魔女がヴィンセントの正体をセシルに教えた可能性だってある。

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