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何を見た?

「君はセシルの潜在意識の中で何を見ているんだ?」  尋ねるガストンに、しかしヴィンセントは何も答えず、組んだ手を額に乗せて祈っている。隣にいるイブリンは彼の丸まった背を撫でていた。  普段、何があっても滅多に動じることのない従兄は、魔女に呪いを掛けられてヴァンパイアにされた時でさえもこれほどまでに我を失うことはなかった。  ガストンは、これほど挙動不審で落ち着きがないヴィンセントを見るのははじめてだった。それだけセシルを想っているだろうことが窺える。 「きっと時期に着く」  ガストンの慰めの言葉を聞いているのかいないのか。ヴィンセントは俯き、自分を罵り続けていた。

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