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彼の願い。

「セシルの髪の色が戻っている」 「ああ、そうなんだよ。ぼくも驚いた。魔女の呪いは解かれたんだ。君もセシルも生きている!」  驚くヴィンセントに、ガストンは頷き返した。  ヴィンセントは自分の腕の中にいるセシルを穴があくほど見つめた。 『呪いが解かれた』従弟が言っていることはどうやら正しいようだ。あんなにセシルの胸を深く貫いていた傷痕や短剣さえもが消えている。 「……セシル?」  たとえ自分の側にいなくともいい。生きていてほしい。そして今度こそどうか幸せになってほしい。一縷の望みをかけ、ヴィンセントが呼びかけると、紫から健康的な朱色に変化しはじめているセシルの唇が動いた気がした。  耳を傾け、容体を確認すると、彼の小さな唇から静かな寝息が聞こえた。胸が膨らんだり縮んだりを繰り返している。  セシルが生きている!  ヴィンセントは喜びに打ち震え、華奢なその身体をそっと抱き締めた。 「よかった、セシル」  サファイアの目から流れた涙がヴィンセントの頬を伝う。 「……ガストン、ぼくたちはいったい」  いったいどうなっているのだろうか。  セシルの傷は消えているし、しかも自分は太陽の下でものうのうと座っていられる。魂を焼かれる、あのおぞましい痛みさえないなんて……。 「許されたんだよ、君は! ヴィンセント! いや、君だけじゃない。イブリンも、ダイモンも、だ! セシルもきっと時期に目を覚ますさ!!」

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