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彼に刺激され、セシルの下肢の一箇所に熱が集中していくのが判る。
見下ろせば、セシルの一物が身をもたげ、キュロットを押し上げていた。その状態の中、訪問者は扉をノックするという行為に飽きたのか、晩餐室の扉を開けた。
中へ入ってきたのは、やはり黒髪に鋭い双眸の彼、ガストンだった。
「やあ、ヴィンセント。なかなか入れて貰えないから無許可で入ったよ。それでぼくはお邪魔だったかな」
明るい笑顔を向ける彼は、セシルとヴィンセントを見るなりう~んと声を上げ、茶化すように話す。
「そう思うのなら帰れ」
「その言い草は酷い! 前もって今日、君のところに行くと知らせを送っていただろう? 第一、魔女のところまで馭者 を務めたのは召使いでもなんでもない、このぼくだよ?」
「だから門は開けておいただろう。それに馭者の件は話が別だ」
「何を言うんだい! ぼくがいなければセシルはこの世界からいなくなっていたかもしれないんだぞ?」
二人の言い争う声がする。喧嘩を見るのは誰だって堪え難い。
況してや二人はセシルにとってはかけがえのない、とても大切な存在だ。そんな二人の言い争いなんて見たくない。止めなければと思うのに、今のセシルにはそれができない。
心臓が早鐘を打ち、身体は熱を持つ。ヴィンセントから与えられる官能から逃れられないセシルは、芯から骨抜き状態だ。ぐったりとヴィンセントに身を任せている。二人の言い争いを止める暇はなかった。
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