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親戚。

「ふうん。ヴィンセントはかなり君を大切にしているようだ」 「えっ? あの……はい」 「ガストン!」 「はいはい、お邪魔しましたね」  ショックを受け、俯いてしまうセシルの耳に、ガストンがぼそりと耳打ちをした。セシルはわけも判らず頷いてしまう。  そしてガストンはすっかり機嫌を損ねたカールトン卿に追い払われた。その彼は今、応接間のドアを開き、招いた客人たちを会場へと案内していた。 「ぼくたちも行こうか」  セシルの背中を押したカールトン卿の手は優しい。けれども表情はやはりどこか硬い。セシルは彼の顔色を窺いながらも不安な気持ちで会場へと進んだ。  ……目が眩む。  会場は眩いほどのその光が覆い尽くされていた。  天上の中央に飾られた巨大なシャンデリアは大小様々にカッティングしてあるダイヤモンドが形を成し、その一粒一粒に光が乱反射している。  ゆったりとしたくつろぎのある空間から瞬く間に幻想的な会場に包まれたセシルは足踏みした。  それに気が付いたのだろう、カールトン卿はセシルの背中を支えていたその手を移動させると、だらしなく垂れ下がっているその指にそっと絡ませた。  触れ合った指先から彼の熱が伝わってくる。セシルの胸が大きく高鳴った。 「まあ、カールトン卿よ。まさか彼がいらっしゃるなんて思わなかったわ」 「本当。素敵ね」  カールトン卿に手を引かれ、少し後ろを歩くセシルの耳に入ってきたのは、やはりともいうべきか、ハンサムな彼を賞賛する女性たちの声だ。  なぜだろう。カールトン卿の側にいるのに、彼との距離がずっと遠くに感じるのは……。  なぜだろう。繋がった手から少しも彼の体温を感じないのは……。

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