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悲鳴。
そして彼はもう、その女性に求愛を申し込んでいるかもしれない。
『愛している』
そう言って跪き、セシルと交わしたあの甘く狂おしい口づけを、他の女性にも――。
女性と愛を交わしているカールトン卿の姿を想像しただけでも、セシルの胸が締めつけられる。
……こんなことになるのなら、たとえグレディオラス邸で居づらい雰囲気だったとしても、それでも彼の側にいればよかった。差し出されたその手を離さず、握っていればよかった。
そうしたら、もう少しは側にいられたかもしれないのに!!
――痛い。
悲しみを宿らせるこの胸もーー。
指を突っ込まれたこの醜い身体もーー。
どこもかしこもが痛い。
「まだきついが、まあこんなところだろう」
そう言うと、今まで後孔を弄っていた指が引き抜かれた。
「――っひ!」
無理矢理指をねじ込まれた後孔が痛みを残す。セシルは張り詰めた息を大きく吐き出した。
太腿の間から見えるのは、キュロットをずり下ろし、下半身で大きく膨れ上がった一物を剥き出しにしている男の姿だ。
その光景を目にしたセシルは息を詰まらせた。
男は下卑た笑い声を上げ、自らの猛りをセシルの後孔にあてがった。
二本の指とは比べものにならないくらい、ずっと大きいそれで貫かれれば、いったい自分はどうなってしまうのだろう。
セシルはよりいっそう大きな悲鳴を上げ、その行為を拒む。
「いやっ! いやだっ!! いやあああっ!!」
(ヴィンセント!!)
泣き声に近いセシルの悲鳴が、建物を伝って反響する。
「ヴィンセント!」
彼は来ない。
そう思っていても、セシルはただ彼の名を呼び続ける。
「ヴィンセント、ヴィンセント!!」
「セシル!!」
いったい彼の名を呼んだのは何度目だろう。その声は突然、聞こえた。
彼の声が悲鳴を上げるセシルの耳を掠めた。
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