126 / 241

邪魔者。

は邪魔ではない」 「……っつ」 (どうしよう。息が、できない)  カールトン卿の側にいたいと願ったのは事実だ。  けれどもあまりの近い距離にセシルの呼吸が浅くなる。  心臓は早鐘を打つように鼓動し、頬も上気してくる。  彼に触れられているというただそれだけで、セシルの身体は恋の思いに胸が戦慄き、震えてしまう。  セシルはどうにか彼の側から離れようと試みるものの、けれども彼の力強い腕がそれを拒む。 (どうかヴィンセントに心臓の音が聞こえませんように!)  セシルはそう祈るばかりだった。

ともだちにシェアしよう!