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「あ……っ、ん、ハッ……!」 繰り返される愛撫に酔わせられながら、その快感に気をとられていた間に引き抜かれた指。 「やっ……、あ、しゅ……い、ちっ……」 「大丈夫。力、抜いて……?」 両手で腰を支えられ、ゆっくりとあてがわれた自身が少しずつ、道を確かめる様に慎重に中へと入ってくる。 怖さはもちろん少なからずはあったけれど、それでも今を止めるなんて事はしたくなかったから。 「は、あっ、ん……しゅ、いちっ……、あっ!」 室内に響く濡れた音に追い上げられ、腰を使い始めてきたその律動に突き上げられ、たまらず唇からは嬌声が零れ落ちる。 奥へ奥へと進まれる度、ジワりと内襞を触れていく感覚に、電流でも走るかの様にそれだけで背筋が鳴く。 いつから流れていただろう涙は枯れる事など知らず、頬を伝い落ちてはまた溢れ出していく。 「つっ……!」 「あ…っ、ん、しゅ……い、ち……?」 チュッ、と突かれる度に鼓膜を揺さぶる情事の証。 込み上げてくる欲求をすぐにでもまた吐き出してしまいそうで、ぼんやりとすっかり鈍った思考は何の役目も今だけは果たせない。 「ど、した……?」 けれど唐突に止められた動きと、共に零された苦しげな声に、上気していた顔をそっと秀一へと向ける。 「いや……、なんでもないよ」 僅かに寄せた眉、けれどなんでもないと言うだけで打ちつけをまた再開してくる。 「あっ、ま、てっ……、ん……っ! はっ……」 言い終わるや否や流され始め、ようやく秀一が見せた先程の姿の意味に気づけても、言葉になってくれず喘ぎばかりが歯列をすり抜けていく。 「あっ、あっ……はっ、ん……っ」 熱く甘ったるい声を繰り返していきながら、手探りで目当ての存在を見つけて掴む。 「咲……?」 腰へと添えられていた手、そっと自分の唇に引き寄せていくと、驚いた表情を浮かべる秀一と目が合う。 「ん、ふっ……は、ぁっ……」 包帯を浸食していく赤は染み渡り、その掌に一度頬をすり寄せて。 「さ、き……っ」 「ん……っ、は……ぁっ」 当然のように舌を差し出して、丹念にその男らしく骨ばった手を舐め上げていく。 感じた血の味ですら愛しくて、決して離したくないと思う。 「ん……っ、はっ」 指の一本一本にも舌を這わせ、伏し目がちに口内へ含んでは、ピチャりと音を上げながら吸い付いていく。 「あっ……、ん!」 包帯ごと舐めて湿らせた掌に唇を落としたところで、今まで止められていた貫きが突然起こった事に、思わずビクりと身体が跳ねる。 「咲……ッ、ありがとな」 「ん、あっ……あっ! やっ……、はっ」 するりと離れた手はまた腰へと添えられて、激しさを増す突き上げに強く揺さぶられる。 息も絶え絶えになりながらギュッとまた抱き付いて、狂おしい程の快感に身を委ねていく。 「この先もずっと……、一緒にいてくれ」 「あっ、んっ……は、あっ!」 耳元で熱を持った声に囁かれ、それにすらもうどうしようもなく感じてしまい、否定する気もなく素直に委ねていく。 「ん……っ、ふ、は……」 顔を上げ、自分から唇を重ねて舌を絡ませていきながら、どちらとも分からない唾液が伝い落ちる。 「あっ、あっ……、い、ちっ、……しゅ、いち……あっ! ん、あっ、あっ……!」 「此処にいる。ずっと、側にいる……」 高ぶる気持ちは抑えがきかず、本能に従い忠実に快感を貪っていく己を止める術など、始めから持ち合わせてはいない。 「あっ……! そ、こは……あっ、んっ……やっ、ぁっ」 一番イイ箇所を貫かれていよいよオカシクなっていき、秀一は汗を滲ませながら色気のある笑みを刻み込む。 その瞳に捕らわれて、離れられない。 「可愛いよ」 「あっ……、な、ことっ……、ゆ、うな……あっ!」 違う、もう……離れたくねえんだ。 「咲……、愛してる」 いっそう繋がりを深く、意識を手放してしまいそうな程に強く求められ、甘美な波に浚われながらも心地良かった。 「あっ、しゅっ……い、ちっ……あっ! も……、やっ、あっ……!」 呼ばれた名前、いつからか俺の心を落ち着かせていたその声に、お前に…… 「はっ、あ、あっ……、んっ、あぁっ……!!」 いつの間にか、惹かれていたんだ。

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