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5※

「ん、んんっ……! んっ!」 抗う余地など与えず、尚も唇を塞いだまま手を滑らせ、咲自身を手荒に外気へと晒す。 根元から扱き上げ、すぐにも緩く勃ち上がりかけていく自身に、口付けをされながらも咲は、ビクりと身を震わせて感じ入っている。 「はあっ、あっ……、ふ、んっ……」 胸に背を預け、伸ばされた手にギュッと腕を掴まれ、甘く乱される息を身近に感じる。 このままお前を、誰の目にも触れないところへと隠し、生涯縛り付けてしまいたい。 愛している、お前を狂おしいほどに、愛している。 栗色の髪も、きめ細やかな肌も、人形のように整う顔立ちも、無駄無く鍛えられた身体つきも、全てをいとおしく思う。 「あ、はあっ……、や、めっ……、しゅうい、ち……」 「咲……、愛してる」 「あっ……! はあ、あっ……、んんっ!」 記憶に焼き付けるように抱いて、煽るようにグチグチと音を立てながら、咲自身を果てへと追い込んでいく。 先端からは蜜が溢れ、自身をとめどなく濡らしていきながら、ヒクヒクと快感に震えている。 側の丸みも揉みしだき、一方の手は胸元へと服を捲り上げ、淡い突起をこねくり回す。 咲は顔を俯かせ、やめろと言いながらも唇からは甘く、たまらないとばかりに吐息を落としていた。 「あ、あぁっ……、んっ、しゅうい、ちっ……、はあっ、あっ」 脇腹を撫で、ビクりと身体を身悶えさせながら喘ぐ咲は、立っているのもやっとという位に力を無くし、ほんのりと頬を染めている。 耳元に顔を寄せ、腰を砕くような囁きの後、耳たぶを慈しみながら甘く噛めば、縋りつく青年からは弱々しく吐息が漏れる。 抱く身体から体温を感じ、手離したくはないけれどこのままではいられない葛藤に、胸が張り裂けてしまいそうになる。 「はあ、あ、ぅっ……、んっ! はあっ」 尚も攻め立てれば、いやらしい蜜が自身へと絡みつき、次第に咲の呼吸を荒くさせていく。 それでも声を抑えようと、唇に手を添える慎ましやかな姿を見て、更にこの身が煽られていくことを彼は知らない。 「咲……」 「んっ! はあ、あっ……、あぁっ」 甘く囁けば、顔を俯かせた咲からは声が漏れ、キツく抱き締める手に腕を絡ませてくる。 突起は熟れ、手淫を繰り返される自身からは欲が溢れ、指を白く染め上げていく。 絡みつくような粘着と、小鳥のように健気な鳴き声が静まり返る室内を妖しく彩っており、今にも果てそうな自身からはとぷとぷと、欲深き蜜が溢れ続けている。 「あっ! はあ、んっ……! あ、あぁっ……!」 やがて絶頂が訪れ、覆う手に勢い良く蜜が吐き出されると、咲は肩で呼吸を繰り返しながら、力無く身を預けてくる。 寄せる腕の中、か細く吐息を散らしながら抱かれる咲に、ふっと優しく唇を落とす。 温もりを忘れぬよう、時が止まってしまえばいいと願いながら、その身をキツく抱き締める。 唇を閉ざし、やり場のない気持ちを胸にしまい込んで、ふわりとした髪に顔を埋める。 「秀一……?」 いつもと様子が違う、そう感じ取ったらしい咲が声を掛け、瞳を向けてくる。 それでも何も答えられず、キツく身体を抱き締めたまま、物言わず顔を俯かせ続ける。 「どうした……?」 しっとりと優しい声で、幼い子供へと語り掛けるように紡ぎ、此方の反応を窺う。 呼吸は幾分か落ち着き、少々掠れながらも乱れは無く、徐々に普段通りへと戻りつつある。 こんなことをするつもりではなかった、俺はただ……。 「……すまない」 「……秀一?」 「それでも俺は……、お前を愛してる。この先なにがあっても……、ずっと。ずっとだ……」 「……」 それからは何も言わず、うわ言のように繰り返される紡ぎを聞きながら、抱く手にそっと、咲が指を絡ませてくる。 辛くて仕方がない、抱える全てを吐き出せたらどんなにいいだろう。 共に死んでくれ、逃げてくれと紡げたならば、もう少し違う展開が訪れるであろうか。 けれども彼を、家族を、身勝手な我が儘に付き合わせるわけにはいかない。 置かれた上着に視線を向け、すっかり出るタイミングを失っている指輪を思う。 もう、必要無くなってしまったな……。 渡して微笑み合うことも、はめる姿を目にすることも、愛を囁き掛けることももう、自分には許されない罪なのだ。 突きつけられる現実、それは涙が滲むほどに辛い選択で、更にキツくその温もりを抱き締める。 忘れぬよう、身体の隅々にまで焼きつけるよう、固く目を閉ざしながら――。

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