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「ったく……、お前はなんでそう……」 目蓋を下ろし、込み上げる衝動を押さえ付けながら顔を背けられ、少しでも心を落ち着かせようと拳を握り込んでいる。 しかしながら装うとしたところで、とうに冷静さなど欠いている思考ではどうしようもなく、喰らい尽くしてやりたいという獣のような本能が溜め込まれていくばかりで、今にも牙を剥いて暴走しかねない。 身を離れ、言葉を詰まらせながらもなんとか切り返し、余計な間を与えぬように、肥大していく心の乱れを悟られぬようにと手を伸ばし、黙して望みを叶え始めていく。 「あっ、はぁっ……、う、んっ……」 待ち焦がれた悦楽を与えられ、すでに高ぶりを増している自身からはしとどに欲が溢れ、指を這わせられる度に自然と腰が揺らめいてしまう。 葛藤や気恥ずかしさなど最早潰え、愛しい人物から心地好く我を見失うような情欲を煽られながら、蕩けそうな程にうっとりとした視線を秀一へ向ける。 「ん……、はぁっ、あっ……、な、に……」 根元から擦り上げ、新たなる欲に塗れていく先端を弄られながら、やがてもう一方の手が伝い落ちている白濁を掬い上げ、秘められた箇所へと丹念に撫で付けていく。 そして確かめるように指先を滑らせ、始めこそ秘部へと軽く触れながら動きを止めると、ぐぐと内部へ押し進めていく。 「あっ……! はぁっ、ん……、や、めっ」 快感に埋もれながらも、親指で少しずつ押し入られていく感覚には身体が跳ね上がり、咄嗟に逃れようと腰を引き掛けたところでぐいと戻される。 そうしている間にも指が呑み込まれ、掻き乱すように左右へと動かされる度に、狂おしいほどの痺れに襲い掛かられて訳が分からなくなる。 「それは本心か……? 到底そうは見えないな」 「あ、あぁっ、んっ……、やっ……」 欲望に塗れている自身と、秘められている箇所を同時に攻め立てられ、甘く蕩けてしまいそうな喘ぎを繰り返しながら、あまりにも強烈な快楽を与えられてどうしたらいいか分からなくなる。 縋り付くように背凭れへと触れ、最早言葉など容易く紡げず、訴え掛けるような事柄も見つからず、気がふれてしまいそうなくらい容赦の無い攻め苦に晒されながら、与えられる全てを受け入れて艶やかに鳴く。 「はぁ、あぁっ……、しゅ、いちっ……、もうっ」 親指を引き抜かれたかと思えば、丹念に慣らされてヒクついている秘部へと、本数を増やして再度ずぶずぶと呑み込ませていく。 先ほどよりも深く、内部を我が物顔で掻き乱され、未だに自身へと指を絡ませられていることで白濁が途絶えず、すでに達しているのかと思えるくらいの欲で溢れ、秘部へトロトロと伝い落ちていく。 濃密な空気に支配され、しんと静まり返る室内からは荒く熱を帯びた息遣いと、情欲を煽るような奏でが響き渡り、惜しげもなく晒された肢体が照明の下で揺れ動いている。 「あ、あぁっ……!」 限界が近く、感じ入るあまりに涙をポロポロと零しながら、鼻にかかった吐息を漏らして懇願する。 けれども絶頂へと辿り着く前に、散々苛め抜かれた自身や秘部から指が離れていくと、ぐいと身体を反転させられてうつ伏せを余儀無くされる。 物足りなさを隠しきれず、目についた肘掛けへと腕を伸ばしながら吐息を漏らしていれば、腰を引き寄せられて狂おしいほどに孕まれた熱が宛がわれ、秘部の表面を軽く滑らせる。 それだけでたまらず、ハァと一際甘ったるい吐息が漏らされた瞬間、圧倒的な質量が徐々に収まっていくのを感じ、ぞくぞくと痺れるような心地の中で遊び女のように淫らな矯声を上げてしまう。 「あ、あぁっ、ん……! しゅ、いちっ……、はぁっ、あっ」 目尻から涙を溢れさせ、とうに抑えきれない身体を淫らな欲望で埋め尽くしながら、徐々に穿たれていく禍々しき熱に酔う。 肘掛けへ取り縋るように、ぐっと爪を立てて打ち震え、うっすらと額に汗を浮かべながら柔らかな髪を揺らす。

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