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第103話

アルバイトは以外に性に合っていたらしい これまで人と多くは接することが無かったためこんなにも饒舌に人と話せることを自分自身が気付いていなかった バイトに入れない日も多い俺たちに何か陰口を叩くというスタッフはここにはいない きっとヒデさんの人柄に引かれた人ばかりでみんなヒデさんとどこか近いのかもしれない 「お疲れ様。お二人さん。あがっていいよ」 「すいません。お先に失礼します」 「あ!ねぇねぇ。」 「はい」 「今週末のバイト後って時間ある?」 「はい」 「よかった。二人とも空けといて」 「わかりました」 この人は国重 柳さん。この店の店長だ 中性的な顔立ちで男性にも女性にも人気があり固定のお客さんもついている 柳さんが作り出すコーディネートは斬新ででも着る人それぞれによく似合う、他にはあまりない姿に変えてくれる 俺は無難なコーディネートしかできないから困ったときは柳さんに相談する。すると何倍もいいコーディネートへ生まれ変わる この人から盗むものは多い 「柳さん…年齢も性別も不詳だよね」 「確かにな…でもすげーかっこいい」 「そうだね」 そして、週末を迎えた 「二人の歓迎会してなかったから歓迎会開きます!!」 みんなについていった先はおしゃれなダイニングバーだった 店長さんと柳さんが友人らしい 「夕ちゃん今日はありがとう」 「いいよー!柳っちのお願いだもん」 可愛らしい人。 「あ。あれ男だよ」 「そうなんですか?」 一瞬しか顔を見れなかったので女性かと思ってた。だって驚くほど綺麗だったから 「俺の高校の同級生なんだよね」 カウンターの向こうから笑顔でヒラヒラと手を振っている夕さんはやっぱり綺麗だった 「夕ちゃん美人だけど癖があるから気を付けてね」

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