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第109話
カナメside
「ミヤビ!ミヤビ!」
意識を手放したミヤビに何度も呼び掛けるが目を開けることはなかった…
「…ミヤビは…」
「カナメ様。大丈夫ですよ。体力を消耗されたので夢想にいったようです。先ほど桜緋から報告がありましたから。今回は一日もあればもどることができるでしょうとのことでした」
桜緋は現在天界にいるが力が他の神々よりも強いので頻繁にここと天界をいったり来たりしている。これまではそのようなことは許されなかったがミカミ様が変革したことも相まって咎められることはない。
桜緋はこれまで誰も見ることの叶わなかった夢想を見ることも夢幻や泡影と念でやり取りをすることも可能だ
「そうなんですね…」
「出産は相当な体力を使いますから。人間の女も生んですぐはあまり思うように動けないですから。大丈夫ですよ…カナメ様。お子様を抱きませんか?。もう産湯にもいれましたし衣も着せたので抱いても大丈夫ですよ」
「お…おぅ…」
小さな小さな命を紅からそっと抱かされる。
ずっしりとした重さに安堵する
「可愛い…ミヤビに似て色白だな」
小さな手が俺の指を掴んだ。反射とはいえ嬉しい
「カーナーメー」
「親父。」
「可愛い!!孫!!初孫!!可愛い」
「親父…うるさい。ミヤビ寝ているから静かにして」
「あ…ごめん…ねぇ…俺も抱いていい?」
親父が柔らかい表情で抱きあげる
「可愛いねぇ。ミヤビちゃんに似てる」
「そうだな。心配だ…変なのに捕まらなきゃいいけど」
「生まれたてでそんな心配…ふふっ…」
「だってミヤビの顔だろ?わかんねぇじゃん」
「大丈夫だよ。ミヤビちゃんとカナメの子だよ?見極める力は持ってるよ」
しばらくして親父は帰っていった
桜緋はミヤビは明日には目を覚ますと言っていたけれど…やはり心配で
生まれたての我が子と共にミヤビと同じ部屋で休んだ
親孝行な子なのか夜泣きすることもなく朝までぐっすりだった
「早くお母さん起きるといいね。抱っこされたいよね」
その言葉を肯定するように俺の小指をきゅっと握った
「か…可愛い…ヤバい…」
早く抱かせてやりたい…きっと幸せそうに笑うんだろうな
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