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第121話
「零真くん好きです」
今日もまた告白された。しかも今日は男…今日だけで5人?
俺の父である要はすごくもてたらしい。理由は南の出身だから。
「零真!!」
教室へ戻るとクラスメイトが焦ったようにやってきた
「どうした?そんなに慌てて」
「社が!」
「やっくん?」
「先輩に連れて行かれた」
「先輩?そうなんだ」
「ちょ!お前なんでそんな冷静なの?」
「やっくんが自らついてったんでしょ?だったら関係なくない?俺はやっくんの保護者じゃないし」
「違うって!!無理矢理つれてかれたの」
「へぇ。それをみんなただ見てたんだ?」
「いや…だって相手が…」
「豪鬼先輩?」
「うん…」
「はぁ…わかった。俺が行くように言われたのね?」
「うん…」
「どこ?」
「3階の理科準備室」
「OK…」
豪鬼先輩はこの学校では珍しく不良と呼ばれるような人だ
体も大きくて強面で腕っぷしも強い。なぜか俺に敵意を持っていてやたら絡んでくる
「めんどい…」
その場所へ向かっていると
「…ちっ…妖魔が紛れてきたか…やばいね…」
一応母に連絡を入れて駆け出す
母が封じたのは大物の悪さをする奴ら。小物のは消滅したはずだった。けれどあの頃悪さをしなかった小物たちは見逃してやっていたのだがここ最近はそいつらが何かの影響で悪鬼に変わっているのだ。
それを止めることが俺の別の顔だ
「やっくん!!」
扉を開けると淀んだ空気が充満してる
「豪鬼!!」
俺の目に飛び込んできたのはやっくんの裸体。それを貪る豪鬼。でも豪鬼の様子がおかしい。
「やっくん!!落ち着いて!!」
豪鬼は我を忘れただひたすらに焦点の合わない虚ろな目をして腰を振ってるのだ。豪鬼の上にはこれまで見たことないやっくんがいる
歪んだ笑みを浮かべ豪鬼の精気を貪っているようだ
「やっくん!!」
「やぁ。東條の息子くん」
「っ!お前は…」
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