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第123話

「やっくん!!やっくん!!」 別に俺の力なら突破するのはそう難しくはないけれど力の中心に豪鬼とやっくんがいるから迂闊に力が使えない… 「ふふふ…やはり人間は脆いものだな…東條がこの地を守れるはずはない。我らに返してもらおう」 「誰が返すか」 「いいのか?お前次第でこやつらは死ぬぞ」 「…」 そう…このままだと精気を絞り尽くされ豪鬼は死ぬ。やっくんはおそらく錯乱し発狂しそのままこいつの中で眠ってしまうだろう… 思ったより早く訪れたこのことに俺はただここに他の人間が来ないよう結界を張り続けるしかない 「お前の…望みは?」 「我の土地を返してもらうこと。そして東條にこの地から離れてもらうこと」 「…わかった。離れてもいいよ。けどねそうすると下等なお前らは他の奴らに滅ぼされるよ?この地はうちが守護しているから平穏に暮らせている。俺たちがいなくなった時点で力が弱まったこの地は…」 「我らの方が強い」 「ここしか知らないからそんなこと言えるんだよ。それに自分が一番理解しているでしょ?うちの当主の力を」 「だまれだまれ!!憎き東條…」 「黙らないよ。俺たちはお前たちの子孫たちも守っていきたいんだ。悪さをしていたとはいえ過去の事。今は人とそう変わらない姿で努力し生き抜いていることを知っているから」 「だまれ!!」 「っ!!やっくん!!」 やつが妖気を放とうとした瞬間闇に飲まれた。やっくんはまだ戦ってる… やっくん… 「やっくん!!戻ってこい!!」 「…れ…ま…れい…ま…」 「やっくん!やっくん!」 「…だまれ…邪魔をするな!」

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