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第129話
社Side
あの日初めて零真の想いを知った。
ずっとずっと思い続けていた零真がまさか俺を…
嬉しくて幸せで…零真はとてもよくモテるし他の誰かを想ってるって思い続けてた。
でも何でそんな風に思っていたのか凄く謎だ
今も昔もこんなにも愛してくれているのに…
「俺に抱かれながら考え事なんて随分と余裕だね」
「んあっ!!零真がっ!俺をっん…」
「ん?俺が…何?」
「んん…ちょっと…とまっあっんん!!」
「社…愛してるよ」
俺を抱くとき雄の顔になっていつもより低く掠れた声で名前を呼ばれるのが好き…愛を囁かれると胸がいっぱいになる
「大丈夫?苦しい?辛い?痛い?」
「え?」
「泣いてる」
そういうと律動をやめそっと瞼に口付けた。
「ごめんね。意地悪しちゃったね。お話しようか」
そういうと俺の中から出て、そっと俺を抱きしめてくれる
「それで。俺がどうしたの?」
「夢みたいで…こうして…零真といられることが…」
「俺もだよ。お前は人にも妖にも人気で初めては後ろも前も妖に奪われたし…俺あんなに毎日一緒にいたのにごめんね。その後も…経験数はかなり多いな…。ヤける」
「あれは…ごめんね。初めてを守れなくて」
「ううん。これからは俺が他には触れさせないから…覚悟しておいてよ」
「うん…」
俺の初めてはあの蔵の中で…あいつに奪われた。初めてで怖いのに感じてしまって身を委ねてしまって…その結果憑かれてしまった…
その後零真が抱いてくれて…けどその後すぐに隣町に買い物に行ったとき知らないおじさんにホテルに無理やり連れ込まれて散々やられた…
おじさんだけでなくその知り合いって人が数人来てたくさんの人と交わらせられて…今でも気持ち悪い…感じた自分が…
零真はそのことだって知ってるしその後も同様のことが多く繰り返されたことも知ってる
俺は…汚れきってる…俺に憑いていたあいつのせいだとわかってるけど…そんな汚れた俺でも零真が好きだと言ってくれる。愛してくれる…抱いてくれる…
それがとても幸せで…けど申し訳なくも思う
その時唇が食まれた
「やっくん。今余計なこと考えたでしょ?俺は…どんなやっくんでも大好きだよ。でもこれからは他の人とやるのは禁止ね?あいつもいなくなったんだしね」
「俺だってやだよ。零真以外となんて…前から嫌だったもん…」
「知ってる。他の奴らがしてきたこと全部上書きしてあげるから…安心してね。一生かけてやっくんを愛する…そう誓うよ」
「うん。でもね、とても不思議なの」
「何が?」
「俺ね、ずっと零真が他の人のことを愛していた…その思いが拭えないの。だって、零真はこんなにもいい男だもの…」
「…俺は…」
「ん?」
「ずっとずっと…やっくんだけを思っていたよ。何度も伝えていたはずだよ」
「そうだけど」
そう…物心ついたときからずっと言われてた。けど…何か…大切な何かを…見落としている気がする…
けど…俺は…やっぱり零真が大好きで誰にも渡したくないから…
「幸せすぎて怖いってやつなのかなぁ?」
そうごまかして零真と唇を合わせまたシーツの海に沈んで行くのだ…幸せを噛み締めて…
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