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第137話
この人はどうしてこんなに悲しそうな顔をして俺に楔を打ち付けるのだろう…こんな表情でなければ俺は最後まで抵抗してやるのに…できないじゃねぇか…
あんたは何を抱えているの?ねぇ…俺ができることない?あんたを救う方法は…ないのかな?
周りの目も気にならないくらいとにかく目の前のこの人が気になって仕方がない…俺は…この人と出会うのは初めてのはずなのに…何で…
「桜緋…桜緋…」
「零真…っ…ごめ…ごめんな…」
その時何かがぱちんと弾けた…あぁ…俺は…何で…忘れてしまったのだろう…どうしようもなく好きだったこの人のことを…
「零真…零真…」
「…桜緋…んん…好きだよ…大好きだよ…」
「零真…」
「桜緋…そんな苦しそうな顔しないで?俺…お前で嬉しいよ…」
「え…」
「桜緋…久しぶり…だね」
「っ!!零真!!おやめなさい」
わかってる…あまり嬉しそうにしてると罰にならないから相手を変えられること。
ねぇ桜緋…そんな必死な形相で制するってことはさ…それってさ…桜緋が俺を他に触らせたくないってことって…そう思ってもいいかな?
だったら…わかったよ…嫌がる演技をする…ちゃんと…罰を受けるから…けど…今だけ…この一瞬だけ…俺だけのものでいて…そう思い口づけた。
きっと、この行為は周りで見ているやつから見たら熱に浮かされた俺がトチ狂って口づけたと思ってくれるだろう…そう思い何度も桜緋のことを堪能した。
忘れないように…ずっとずっと…ねぇ…桜緋…大好きだよ。そんなに泣かないで?俺ちゃんと理解したから…ね?ごめんね…ごめん…桜緋…
そのまま桜緋に身を委ね声も出なくなるまでほ鳴き続けた
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