138 / 140

第140話

桜緋side 零真の思いが書き換えた記憶でなくその後本物になったことは知っていた。 求めていたことだったのに苦しくて苦しくて堪らなかった…けれども… 「…零真。これは私が祈りを込めた勾玉です。多くのものから社さまを守ってくれるでしょう。私の力を込めておきましたのでお納めください」 「ありがと。桜緋」 「では。またいつか。幸多きことを願っております」 零真…貴方がずっと幸せでありますように… 「桜緋」 零真が東條家に戻りしばらく… 「…サコンさま」 いつものようにふらりと現れたサコンさまが…俺をなでながら言うらすだ 「やっと…次にすすめるね」 「…はい…」 「頑張ったね…」 「…」 「ねぇ。桜緋。俺が前話したこと覚えてる?」 「なんですか?」 「…必ず現れる…お前を支えてくれる者が…だから…今は…泣くだけ泣いて休みなよ…って」 「は?そんなことありました?」 「えぇ!!珍しく俺が真面目に話したのに覚えてないの?」 「わかりません」 「残念…」 「それがどうしました?」 「お前の元へついていたいと言うものが南にいるのだ。」 「南に?」   「あぁ。どっちにしてもお前にもお付きのものが必要になるでしょ?これからやることますます増えるんだし。その子とーってもとーっても優秀だからさ使ってやってよ」 「俺も知ってる方ですか?」 「お前が赤子のときから知ってるよ」 「え?」 「連れてきてるんだけど会う?」 「わざわざ来ていただいたので」 「いいよぉ。入っといで」 現れたのは俺がよく知る者だった 「ミネさん!」 「久しぶりだね。桜緋…さま」 「さまとか…いらないです…」 ミネさんは南でもトップクラスの術者だ。 「サコンさまはお帰りくださいませ。後は私が致しますので」 「はいはぁーい。じゃね」 霞になって消えたサコンさまを見届けてミネさんを見つめる 「ありがとう。お手伝いしてくれるんでしょ?」 「えぇ。何なりとお申し付けくどさいませ」 こうして俺の側にミネさんがいてくれるようになりその関係が変わるのはもう少し先の未来。

ともだちにシェアしよう!