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第15話

カナメside サコン様の右腕と呼ばれるようになるまでにはそう時間もかからなかった 元々父の力は凄まじく人間界へ下ると言ったときには皆必死で止めたそうだが父は母と生きる道を選んだ 人として これまで生活してきて自分には仕えねばならない人がいるということは早い段階で父から伝えられた サコン様に仕えてすぐ俺の生活は変わっていく サコン様はその見た目と能力から男女問わず魅了して毎日のように幾人もの妖や人間や神でさえも代わる代わるやって来てはサコン様との契りを結びたがった その中でもサコン様のお眼鏡には叶ったものの能力が若干低いものは俺が代わりに関係を結ばねばならなかった そうしてサコン様の血を絶やすことなく繋がってきてこの南の土地は成り立っていた 北のシン様は力を、東のハク様は知を、西のケン様は信頼をそしてサコン様は繁栄をこれを糧にこの辺りは栄えてきたそうだ 父も古くから多くの者達と身を結びそんな中で母と出会い他へ寵愛を与えることを拒むほど母に入れ込んだ 母は贄としてサコン様へ捧げられたそうだ。しかし体が弱くサコン様の妖力には耐えられないという決断がくだり父が相手をした。 それが二人の出会いだった それから幾年が過ぎ母は俺を身ごもった それを期に父は人界へと下った

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